山陽電子工業では、1935年、吸着剤を使って空気中から選択的にガスを抽出する独自のPSA(Pressure Swing Adsorption)技術で、大気中の酸素や窒素を高濃度で発生する装置を開発し、酸素と窒素の優れた性質を活かしてさまざまな産業分野に展開しています。空気を原料とする当社のPSA装置は非常に経済的で、使用する吸着剤も環境に適応し、脱炭素社会に向けたSDGsの取り組みにも大きく貢献します。これからは、このガス分離技術をさらに進化させ、クリーンテクノロジーとして地球環境問題に挑戦し続けます。
酸素発生装置の場合
PSA方式とは、ガスの圧力を変化させ、吸着と脱着を繰り返すことにより、目的のガスを分離する方法です。酸素PSAと窒素PSAがあり、それぞれ使用する吸着剤が異なります。酸素発生装置の場合は、下記の図のように、吸着筒Aが窒素を吸着しきれなくなると吸着筒Bに切り替わり、これを交互に連続して繰り返すことで、濃縮された酸素を取り出します。
山陽電子工業の装置が選ばれる理由は、30年以上の実績とノウハウのもと、ベースとなる機種はあるもののサイズ・型のカスタマイズが可能で、個別のご要望にきめ細かく対応できることです。設置場所に合わせた寸法調整、L字型配置、機能の追加、配管の位置変更、さらには装置の組み込みなどのご要望に素早く応えられる技術力が強みです。
FEATURE
新しい種別のガス分離・再利用技術の開発
新たなガス分離技術として、混合ガスからCO2ガスを分離回収する技術を確立し、CO2回収装置の実用化を進めています。燃焼炉やボイラーなどの排気ガスからCO2だけを吸着させ、窒素や酸素はそのまま放出する装置です。また、メタンガスを分離回収して再利用する装置の開発も。山陽電子工業では、新しい種別のガス分離技術の開発に向け共同開発を積極的に行ない、試作機・開発用機械などの一品物にオーダーメイドで応えています。
産業用ガス発生装置は、ほとんどがカスタマイズによるお客様専用機になります。そのため、取引先の商社に収めた後も、エンドユーザーまで足を運び、立ち上げ・試運転まで行います。定期的なメンテナンスも実施し、技術者が顧客接点を持つことで、改良や装置の入れ替えニーズを直接お聞きし、先んじた対応力で信頼を重ねています。
大手漁船メーカーや活性炭メーカーなど、お客様仕様の酸素発生装置・窒素発生装置をOEMで製造・納入しています。また、限られたスペースでの設置や他の装置への組み込みなど、特殊な仕様であっても、部品やコンプレッサーなどの選定からご相談に乗り、お客様のご希望に合わせて装置を作り込み、提供できる技術力があります。上場企業から信頼される品質管理体制、製造管理体制のもと、確かな製品づくりでOEMにお応えします。
山陽電子工業では、独自のPSA技術や真空PSA技術を用いた製品をラインナップしています。植物の成長促進や水質汚染の改善などの用途に対応した酸素発生装置、食品の酸化防止や防爆ガス用の窒素発生装置、原料ガスや医療に用いられる清浄な圧縮乾燥空気を発生させるヒートレスエアドライヤなどがあり、中小型の酸素発生装置の製造販売では全国でトップシェアを誇ります。
酸素・窒素発生装置
高濃度酸素90%以上、高濃度窒素99%以上の高純度・程露点を低コストで実現します。低騒音、屋外型にも対応し、各種システム内の装置組み込みに最適です。全自動化により作業効率がアップし、メンテナンスも簡単です。
ヒートレスエアドライヤ
-70℃以下を実現するヒートレスエアドライヤは、再生に熱を使わず圧縮空気の水分と有害ガス、微小粉塵を取り除き清浄な圧縮乾燥空気を得ることができます。新設配管はもちろん、既存の圧縮空気配管にも容易に設置できます。